内縁・事実婚の認定
どのような基準なのか?
「生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて」(平成23年3月23日・年発0323第1号)により、認定されることになります。
事実婚認定の具体的な内容
5 事実婚関係
(1) 認定の要件
事実婚関係にある者とは、いわゆる内縁関係にある者をいうのであり、内縁関係とは、婚姻の届出を欠くが、社会通念上、夫婦としての共同生活と認められる事実関係をいい、次の要件を備えることを要するものであること。
- 当事者間に、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとする合意があること。
- 当事者間に、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる事実関係が存在すること。
年金の取り扱い上は、内縁も事実婚も同様とされています。
(2) 除外の範囲
前記(1)の認定の要件を満たす場合であっても、当該内縁関係が反倫理的な内縁関係である場合、すなわち、民法第734条(近親婚の制限)、第735条(直系姻族間の婚姻禁止)又は第736条(養親子関係者間の婚姻禁止)の規定のいずれかに違反することとなるような内縁関係にある者(以下「近親婚者」という。)については、これを事実婚関係にある者とは認定しないものとすること。
ただし、厚生年金保険法、国民年金法、船員保険法による死亡を支給事由とする給付(未支給の保険給付及び未支給年金を含む。)及び加給年金額並びに振替加算の生計維持認定対象者及び生計同一認定対象者に係る生計維持関係等の認定において、次に掲げるすべての要件に該当する近親婚者については、過去の判例を踏まえ、日本年金機構本部及び厚生労働省年金局に対し、その取扱いについて協議を行うものとすること。
- 三親等の傍系血族間の内縁関係にあること。
- 内縁関係が形成されるに至った経緯が、内縁関係が開始された当時の社会的、時代的背景に照らして不当ではないこと。
- 地域社会や周囲に抵抗感なく受け入れられてきた内縁関係であること。
- 内縁関係が長期間(おおむね40年程度以上)にわたって安定的に継続されてきたものであること。
法令上や、社会通念上で問題がないことが必要とされています
(3) 離婚後の内縁関係の取扱い
離婚の届出がなされ、戸籍簿上も離婚の処理がなされているにもかかわらず、その後も事実上婚姻関係と同様の事情にある者の取扱いについては、その者の状態が前記(1)の認定の要件に該当すれば、これを事実婚関係にある者として認定するものとすること。
色々な事情により書類上離婚となったが、実際は夫婦関係は継続していたというようなケースでも、要件に該当すれば認定されることになっています。
(4) 認定の方法
これらの事実婚関係及び生計同一関係の認定については、3の(1)の①によるものとし、受給権者、生計維持認定対象者及び生計同一認定対象者からの申出並びに別表5の書類の提出を求め行うものとする。
3の(1)の① として、住民票同じかどうか、パターン別に認定方法が分類されています。
別表5の書類 として、必要とされる書類が示されています。
3の(1)の① 住民票パターン
生計維持認定対象者及び生計同一認定対象者に係る生計同一関係の認定に当たっては、次に該当する者は生計を同じくしていた者又は生計を同じくする者に該当するものとする。
① 生計維持認定対象者及び生計同一認定対象者が配偶者又は子である場合
ア 住民票上同一世帯に属しているとき
イ 住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるとき
ウ 住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき
(ア) 現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき
(イ) 単身赴任、就学又は病気療養等の止むを得ない事情により住所が住民票上異なっているが、次のような事実が認められ、その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の家計を一つにすると認められるとき
- 生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
- 定期的に音信、訪問が行われていること
別表5 事実婚関係及び生計同一関係に関する認定関係
本文5の(1)に該当する者に添付を求める書類
婚姻の意思についての当事者それぞれの申立書(当事者が死亡している場合にあっては死亡者に係る婚姻の意思についての第三者の証明書。ただし、当事者の一方が、死亡者が受給していた公的年金に係る加給年金額対象者であり、かつ、死亡の当時、当該受給権者と同居していた場合にあっては、この限りではない。)及び認定対象者が次の表左欄に掲げる者である場合にあっては表右欄に掲げる書類
認定対象者の状況区分 | 提出書類 |
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①―ア | 住民票(世帯全員)の写 |
①―イ | a それぞれの住民票(世帯全員)の写b 別世帯となっていることについての理由書 |
①―ウ―(ア) | a それぞれの住民票(世帯全員)の写b 同居についての申立書c 別世帯となっていることについての理由書d 第三者の証明書又は別表4に掲げる書類 |
①―ウ―(イ) | a それぞれの住民票(世帯全員)の写b 別居していることについての理由書c 経済的援助及び定期的な音信、訪問等についての申立書d 第三者の証明書又は別表4に掲げる書類 |
②―ア | 住民票(世帯全員)の写 |
②―イ | それぞれの住民票(世帯全員)の写 |
②―ウ―(ア) | a それぞれの住民票(世帯全員)の写b 同居についての申立書c 第三者の証明書又は別表4に掲げる書類 |
②―ウ―(イ) | a それぞれの住民票(世帯全員)の写b 経済的援助についての申立書c 第三者の証明書又は別表4に掲げる書類 |